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品質管理の基礎知識

製造業の生産性・品質向上

経営コンサルティング 生産効率向上

弊社は20年以上にわたって、製造業の生産性や品質と向き合ってきました。
中小製造企業においてどうすれば生産性を高めることが出来るのか、ここでは手法や施策ではなく基本的な考え方において弊社の経験から考えるところを記載します。

1.製造業は、形を作り、形を改善する

コンサルティングのお問い合わせの際に「3か月でウチの製造現場の生産性を~%向上させたい。そのための最新の生産方法を指導してほしい」といった趣旨のご連絡を頂くことがあります。

上記のようなお問い合わせに対し、弊社ではお断りをしています。
『製造効率を上げる』とは例えばシステムを入れ替えるように、新たな何かを持ってくれば実現するものではないからです。

企業及び製造現場の「形」

ではどうすれば製造効率が上がるのか、それは「形を作り、形を改善する」ことです。
ここで言う形とは「決まり事」のことで、会社のルール、製造現場のルール、定められた作業方法のことです。
これらのルールを定め、全員がそのルールを守ることで、いつでも当たり前に同じことが行われるという「形」が出来ます。

形の重要性をご理解いただくために、まずは形が無い(ルールが無い)状態を考えてみます。

受注部門から製造部門への情報の流れが定まっていないとします。
一般的に受注部門から製造現場に『製造指図書』が渡されますが、流れが定まっていないため受注管理部門は紙面やメール、口頭などその時々で自分に都合の良い形で「製造部門の誰か」に伝えます。製造部門は日常的な受注をこなすことすら困難です。

製造現場で工具管理のルールが守られていないとします。
作業者は自分が使った後工具を元の位置に戻さないため、別の作業者が工具を探して工場内を歩く姿が頻繁に見られるようになります。作業は遅れ、場合によっては不要なはずの残業を生むことになるでしょう。

製造現場において「形」が無いことは非効率につながります。

では、形があると何が良いのかというと、主に以下のようなことです。

 ・作業ミス、伝達ミスが減る
 ・先々の予測が出来、仕事の計画が立てられるようになる
 ・一つの改善が全体に波及する、継続する

ルールを定めることやルールを守ることは当たり前のように見えますが、御社ではどの程度決まっているでしょうか?

・同じ作業でも人それぞれ異なるやり方をしていませんか?
・情報伝達の方法は担当者任せになっていませんか?
・それらを定めたはずのマニュアルは形骸化していませんか?

ルールが無い、ルールが守られない・徹底されないことが非効率を生み出します。
社内に「ルールを守る」という文化が無く、決めたことがすぐに守られなくなってしまうのであれば、まずは現在の会社の文化を変えるところから始めなければなりません。ルールを定め、全員がそのルールを守ることが、効率化の基本です。

2.品質が第一

もし御社で顧客クレームが月6件以上発生している場合、製造効率を高めるために御社が最優先で行うべきことは不良の低減です。

一般的に製造業はQ(品質)、C(経費)、D(生産期間・納期)が重要と言われますが、Q(品質)に問題を抱えている場合C(経費)やD(生産期間・納期)の改善を行っても大きな効果は期待できません。なぜなら結局それらの改善はQの問題に阻害されてしまうからです。顧客クレームの発生は企業に大きな損害を与えます。

顧客クレームによる損害と言うと報酬減額を思い浮かべがちですが、それだけではありません。
 ・手直し、再生産等による工数・輸送費用増加
 ・原因究明→是正処置報告書作成の精神的負担と手間増加
 ・追加検査による工数増加
 ・営業における信用の低下

など様々な面から、損失が発生します。これらの損失を計算すると、目に見える費用だけで一人分の給料をゆうに超えます。

顧客クレームによる経営者への悪影響

顧客クレームによる間接的な損失について述べましたが、最も大きな損失が発生するのは主なクレーム対応を経営者が担っている場合です。

中小製造業で「営業活動は経営者のみ」という企業は少なくありません。そうした企業では顧客クレームへの対応を経営者が直接行います(程度の小さいものに関しては従業員に任せるなどしますが)。

実際に顧客クレーム対応を行ってみると分かりますが、クレーム対応は緊急度が高い業務で、対応中はそちらにかかりきりになってしまいます。仮に月6件顧客クレームが発生しているとすると、営業日で言えば3~4日に1件発生することになります。ただでさえ忙しい日常業務に加えこれだけ顧客クレーム対応をしていては、先々のことを計画するような経営の仕事を行うことは非常に困難であるため、効率化のためには顧客クレームの低減が最優先です。

顧客クレーム・品質不良低減に関しては以下で詳しく述べていますので、そちらをご覧ください。


3.目標と計画

効率化の基本が、ルールを定め、全員がそのルールを守ることだと述べました。実際これが出来るようになってくると、以前よりも仕事がスムーズに進むことを実感するはずです。そこからさらに効率化を推し進めるものが、計画です。

意識を将来に向ける

計画に対して「立てたところでその通りに進まない」として敬遠される経営者が多くいます。
確かに計画を立てたところで、その通りに行くというわけではありません。社内・社外の様々な要因によって、計画から乖離してしまうことが往々にしてあります。

計画を立てることの明確な利点は、意識が将来に向くことです。
忙しい毎日の中で、私たちの意識は目の前のことに向きがちです。思い描く将来像が頭の中にあっても「とりあえず今日やらなければならないこと」をやるだけで一日が終わってしまうこともしばしばあります。そうしているうちに将来像は頭の中に眠ってしまい、1年後に振り返ると何も出来ていない、ということになります。

また計画倒れを避けるためには『目標設定の工夫』が役に立ちます。
目標設定は日々何をするかを決めることが重要で、「売上〇〇%アップ」のように数字だけを設定するのでは足りません。
目標に関しては「中小企業経営者のための目標設定」で詳しく記載していますので、ここでは詳細は割愛します。

目標と計画を適切に用いることで、効率化のための改善がさらに進んでいきます。

4.終わりに 人の成長

製造業における現場改善の良いところは「当たり前」が通用するところです。特別に優れたアイディアではない「当たり前」のことを実施することで、小さくとも必ず成果が出ます。問題はこれをいかにして社内で継続・徹底するか、また一部分ではなく会社全体に展開するかです。

この部分において、どうしても『人の成長』が必要になってきます。具体的に言えば社員が『決めたことを守る人』に成長することです。組織や仕組みによって多少カバーされますが、人員が限定される中小企業では「人」が重要な要素になります。

弊社ではこの部分の支援を行っていますが、経営者・管理者がこうした成長を従業員に望むのであれば、まずは経営者・管理者自身が決めたことを守ることです。経営者・管理者の行動を社員は見ています。

C O N T A C T

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